旅と日常のあいだ

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金沢21世紀美術館近く【kakurezato coffee】と、タレルの部屋

前々から気になっていたカフェ【kakurezato coffee】(かくれざとコーヒー)に行った。雰囲気がすばらしかった。

場所は金沢21世紀美術館の近く、大通りを背に少しぐるりと歩いて細い路地に入ったところ。21世紀美術館には十数回行ったことがあるのに、この道はまったく入ったことがなかった。カフェの入口は通りから少し奥まっており、店名表示も控えめ。店に入るまで「本当にここであってるのか?」と何度も不安になった。Google Mapがなければたどりつけなかったな。

扉を開くと、うわあ何ですか、このおしゃれで静かで落ち着く空間は。高い天井はコンクリート打ちっぱなし、正面に黒のカウンター、ゆったり置かれた木製のテーブルとイス、大きな窓、ドライフラワー。美術館や大通りの喧騒とは離れて、穏やかな時間がゆっくり流れてるようなイメージ。店名の通りの「隠れ里」感がすごい。

黒ブドウとシナモンのパイ。ドリンクは、金沢梅ソーダ。お皿もカップも品があってかわいくて心が踊った。ここちよいインテリア、ここちよい食器は気分を良くしてくれるなあ。パイ生地、ツヤツヤのサクサクでおいしかった。ぶどうの実がごろごろ。

カフェを出たあと、21世紀美術館の中でも特に好きな「タレルの部屋」を見に行く。入館料なしで自由に入れる場所。ベンチに座り、四角く切り取られた空を見る。ときどきトンボが横切っていて、秋ならではだなあと思う。ここも人が少なくて、表の喧騒が嘘みたいな静けさがあった。何を考えても考えなくてもよい時間。外に出れば大きな空とにぎやかな人の声があることがわかっていて、そのことにちょっと安心したり、遠い場所のように感じたりした。
kakurezato coffee からの「タレルの部屋」。気持ちを整えるいいコースを発見した。