旅と日常のあいだ

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科学と技術と友情は強い!『プロジェクト・ヘイル・メアリー』感想

 

アンディー・ウィアー著『プロジェクト・ヘイル・メアリー』読了。

文句のつけようがなく、素晴らしく面白かった。文字どおりの意味で「宇宙規模」な一大プロジェクトの、スケールの壮大さ。超未来的・非現実的な設定なのに、もしかすると実際にあり得るのではと思うほど細かく作り込まれたリアリティ。展開はスピーディで、ハラハラと興奮の連続で息もつかせない。そして、唯一無二である仲間との友情が胸熱すぎ。結末にこんなあたたかい気持ちになるとは誰が予想したかという感じで、まあとにかく、すごくいい読書の時間だった。

冒頭、主人公は、自分は何者で今どこにいるのか、何をしようとしているのかが何もわからない。読者も同じ視点で読み始めることになる。困惑しつつも、主人公は科学知識や観察、実験を繰り返して現状を認識しはじめる。この過程がエキサイティング。

徐々に記憶を取り戻して自分のミッションを理解し、そこからはまた難題に次ぐ難題。ひとつ解決するとさらなる問題が発生して常に極限状態なんだけど、主人公は絶対にあきらめないし、科学の力を信じている。読んでいて、科学や物理法則が全宇宙で共通である(らしい)ことに、安堵と神秘と美しさを感じる。(同時に、科学にも物理にもさっぱり詳しくない私は、この世界に投げ込まれたらすぐ絶望してしまって生き延びることができないな…と軽く落ち込む。)

この場所には自分ひとりしかいないと思っていたところ、実はなんと…!という劇的なエピソードが起こり、そこからの展開は思い出してもドキドキわくわくがとまらない。あれをこれから味わえるなんて、まだ読んでない人が心底うらやましい。

読み終えたあとは、夜空のずっとずっと遠くにあるどこかの星のことを、祈りにも似た気持ちで強く考えずにいられなくなる。あと、「うっそだろう!?」っていう口ぐせを真似したくなる。そんな小説だった。本当に最高。