2020年に読んだ本の記録を時系列で。★はよかったもの、★★はその中でも特によかったもの。印象深い三冊をあげるならば、『ザリガニの鳴くところ』『なめらかな世界と、その敵』『わたしの美しい庭』かな。
探検家とペネロペちゃん(角幡唯介)
カザアナ(森絵都)
とりあえずウミガメのスープを仕込もう(宮下奈都)
・家族との食事の記憶に、懐かしい優しい気持ちになれるのっていいなと思った。自分が小さいころの一コマを思い出したりそこに温かい思い出があるのって幸せなこと。
五つ星をつけてよ(奥田亜希子)
死にがいを求めて生きているの(朝井リョウ)★
・登場人物の見え方が終盤でがらりとかわる構成のおもしろさ。複数の視点から人物像を描いてミステリーがありわくわくぞくぞくした。この作品をきっかけに、しばらく朝井リョウブームが続いた。
ルビンの壺が割れた(宿野かほる)
・驚愕の大どんでん返し!系。衝撃を楽しむための読書。読んで10ヶ月たった今、ストーリーをあまり覚えてない。ラストでなんか驚かされたという印象だけが記憶に残ってる…。
男コピーライター、育休をとる。(魚返洋平)
十二国記 白銀の墟 玄の月(小野不由美)★
・すっごくおもしろいしキャラクターも魅力的だし世界観に引き込まれるし大好きなのだけど、全4巻は長い。長すぎる。序盤は話がほとんど動かず、どこにも進んでいかない文章を読むのがしんどかった。かと思えば4巻の本当に後ろの方、劇的で重要でものすごくおもしろいはずの局面が、あまり説明されず短い紙幅で終わってしまったのが不満。読者にとって解決されないままの謎もあったし、続編なりでもっと続きを読みたい。その際はもう少しコンパクトにまとめていただきたい。
「家庭料理」という戦場 暮らしはデザインできるか? (久保明教)
何者(朝井リョウ)★
ぐるぐる問答(森見登美彦)
少女は卒業しない(朝井リョウ)★
・高校生の日常がみずみずしくてまぶしい。高校生の特権というべき仕草や感情が、懐かしくてうらやましくて切なくて胸が苦しくなる。
結婚の奴(能町みね子)
なめらかな世界と、その敵(伴名練)★★
・ものすごい作品を知ってしまった…!としばらく興奮がとまらなかった。
高熱隧道(吉村昭)★
・ここから吉村昭ブームが起こる → その後、漂流民ブームへ。
祝祭と予感(恩田陸)
希望の糸(東野圭吾)
羆嵐(吉村昭)★
漂流(吉村昭)
漂流の島 江戸時代の鳥島漂流民たちを追う(高橋大輔)
流浪の月(凪良ゆう)★
ハーモニー(伊藤計劃)
屍人荘の殺人(今村昌弘)
・映画化もした話題作。ヒロインのキャラ設定が親しめぬ。黒髪おかっぱの美少女なのはいいけど、言葉遣いや思考が軽くていまいち好きになれなかった。トリックはおもしろいんだけど、そもそもの動機に無理があるように思えて私としては納得しきれず。
金木犀とメテオラ(安壇美緒)★★
少年と犬(馳星周)
持続可能な魂の利用(松田青子)
天龍院亜希子の日記(安壇美緒)
・上記「金木犀とメテオラ」がめちゃ好みだったので同じ作者の別作品を。こちらはあまり好きではなかった…。
口笛の上手な白雪姫(小川洋子)★
少年探偵団(江戸川乱歩)
・超人気古典シリーズにケチをつけるのはアレなのですが、怪人も明智小五郎も変装がうますぎるせいで話をつまらなくしてない? 読者(というか私)としては冷静な推理や考察によって事件解決に挑んでほしいのに、変装がうまいから誰の目もだませる&どこにでも入り込めるというスーパーマン要素はずるいと思う。ピンチが訪れるたびに「はいはい、どうせまた変装でうまくやるんでしょ?」と思ってしまったし。
剱岳 線の記 平安時代の初登頂ミステリーに挑む(高橋大輔)
アウア・エイジ(岡本学)
ザリガニの鳴くところ(ディーリア・オーウェンズ)★★
82年生まれ、キム・ジヨン(チョ・ナムジュ)
わたしの美しい庭(凪良ゆう)★
雲を紡ぐ(伊吹有喜)
ぼくのメジャースプーン(辻村深月)
政と源(三浦しをん)
のっけから失礼します(三浦しをん)
つねづね「育児と仕事で自分の時間がないよー」と感じているわりには、思った以上にたくさん読んでた。春に職場復帰したことで「昼休み」という絶対的な自由時間を得たことが大きい。この時間に、食事とおなじかそれ以上の優先度で本を読んでいるからな。日常をしばし忘れて読書に没頭すること、そこから浮上して日常に戻ってきたときのちょっとしたリフレッシュ感は私にとって必要なもの。また来年も、よい本との出会いがありますように。