旅と日常のあいだ

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東海道新幹線に忘れ物。ぞうの一人旅

先日、1歳の息子を連れて新幹線に乗ったときのこと。

品川から静岡までこだまで約1時間30分。車内でグズることなく過ごせるよう、お気に入りのぞうのぬいぐるみ・まだ見せたことのないシールブック・おやつなどを用意していった。車内ではおおむねご機嫌に過ごしてくれて作戦成功。ホッとしながら新幹線を降り、在来線に乗り換え、さらにタクシーに乗ってようやく目的地に到着。ふー、なんとかミッションクリアだよ~と荷物を下ろしたところで忘れ物をしたことに気づく。

ない。ないぞ。信じたくないが、ぞうのぬいぐるみが見当たらない。これはピンチ。ほかのものでは替えがきかない息子のお気に入りアイテムだというのに。

新幹線の中では、座席の肘掛けや窓辺にぞうさんをスライドさせながら「かんしんしん!(=新幹線)」と言って遊んでいた。静岡で下車するとき座席に忘れ物がないのは確かめたけど、座席の下までは見なかった。たぶんあのとき床に転がっていたんだろうな…。

ひとまずJR東海に問い合わせ。ホームページを見ると、忘れ物についてはお問い合わせフォームを利用すること、返却まではおおむね1~2週間と書いてある。ええっ、そんなにかかるの!? その間、ぞうの不在に息子と私が耐えられるのか? どうしたものかと思っていたら、問い合わせ用電話番号も記載されていたので即電話。つながった先で聞かれたのは、乗車日時、乗車駅と降車駅、乗った車両と座席(車両は覚えていたけれど、座席ナンバーは見てなかった。後ろの方で、だいたい何番目くらいという答え方をした)、落とし物の特徴。「ぞうのぬいぐるみです」と伝えたところ、色とサイズを尋ねられたのは想定内。でも、「ぞうは単体ですか?」と尋ねられたのは想定外で、「へっ? ええ、はい、単体です、けど…」とドギマギしてしまった。単体ってどういうこと、他にも仲間がいますとか、象使いも一緒とかそういうこと? ひととおりの質疑応答があり、確認できしだい連絡しますということでいったん切る。さてこの返答に何時間かかるのか、あるいは一日以上待つのかしらと思ったら、すぐに電話がかかってきた。

「該当の新幹線は現在名古屋駅に向けて走行中であり、車内に、お問い合わせのぞうのぬいぐるみがございました。このまま終点の名古屋まで向かいます。名古屋に到着しましたら、現場の担当者から受取方法について改めてご連絡します」

 ぞうは現在走行中。このまま名古屋に向かいます。なんともシュールな状況…!ぞうが見つかった安心感以上にじわじわくる面白みのほうが強くて、電話口でニヤニヤしてしまった。このあと名古屋駅から電話があり、ここでも「ぞうは単体ですね?」と念をおされた。うちのぞうさんとは別に、単体ではないぞうがほかにもいたということかなー。名古屋駅に取りに行くのは難しいので、指定住所に送付してもらうようお願いする。業者はヤマト一択、着払いでの発送だった。

電話のやり取りをしたのが15時くらい、荷物が届いたのは翌日の昼。1~2週間かかるどころか、24時間かからないスピード対応だった。感謝。紛失した当日はぞうの不在を気にしていなかった息子だけど、翌日、お昼寝中に戻ってきたぞうさんをそっと傍らに置いておいたら、目覚めてすぐに手にとって「ぞうしゃーん。ふかふか~」だって。無事に返ってきてよかったね。

 

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ちなみにこの箱に入って送られてきた。プチプチに包まれて。強そう!!!