旅と日常のあいだ

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パンにまつわるおいしいアンソロジー、『こんがり、パン』

河出書房新社『こんがり、パン』を読む。小説家、随筆家、詩人、翻訳家など41人が書いたパンにまつわる文章を集めた本。1編が4~6ページと短めで、細切れ時間に少しずつ読めるのがいい。

こんがり、パン(おいしい文藝)

こんがり、パン(おいしい文藝)

 

 パンにまつわる文章といっても人それぞれ。味や好みなどパンそのものについての話、パンから連想される家族との思い出、昔読んだ物語に登場するパンのこと、ホームベーカリーを買ったこと。これらを集めて本が一冊できるくらいに、みんなパンについて語るものをもってるってことか。

41編の並べ方がまた絶妙。発表順とか作者名順ではなく、内容がゆるやかに関連してつながっていくように並べられているのが醍醐味。時代も作者もばらばらの文章が、似通ったテーマやキーワードでしりとりのようにつながっていく面白さがある。編集者は、よくこれだけパンにまつわる文章を見つけてそれをうまいこと配置したなあと尊敬。特に好きな流れは、川上弘美さんの「長田弘の本を読んでいたらしょうがパンの作り方が載っていて驚いた」という文章の直後に、長田弘さんのまさにその文章「ショウガパンの秘密」が掲載されているところ。読者の興味と欲求をばっちり満たしてくれる構成が気持ちいい。

あと、岸本佐知子さんの「一度きりの文通」っていう話がとても好きだった。高校にパンを売りに来ていたパン屋さんと、パンの注文袋に書いたちょっとしたメモのやりとりで淡い交流をしたというエピソード(胸キュン)。内容も、岸本さんの書く文章もいいなと思った。これが収録されたオリジナルの本を読んでみたくて巻末の著作リストを見たら、出典は「ねにもつタイプ」という文庫本。おっと、すでに持っている本だった。その割に読んだ記憶がないのは、まだ読んでいないのか、忘れているだけなのか。

ねにもつタイプ (ちくま文庫)

ねにもつタイプ (ちくま文庫)

 

 

ちなみに今日の私の食事(主食)は、朝=トースト、昼=おにぎり、おやつ=あんパン(小)、夜=麦入りごはん、食後のデザート=あんパン(小)、寝る前=あんパン(小)。食べざかりの高校生か。どうにもこうにもあんパンが好きすぎる日であったよ。

 

 

お題「我が家の本棚」