バルセロナ4日目。8時に起き、9時にはホテルを出るべく急いで準備。今日は高速鉄道Renfeでモンセラットという街に行くのだ。モンセラットはバルセロナからおよそ50km、岩山の間に修道院が建ちキリスト教のパワースポットとも呼ばれている場所。「黒いマリア様」が有名であるらしい。まずはホテル最寄りのパラレル駅からメトロに乗ってエスパーニャ駅へ。
1時間ほどで乗り換え駅に着き、ここからは登山鉄道で急傾斜をぐんぐん登る。ここは箱根か静岡大井川鐵道のアプト式かって感じである。
こんな具合で山肌を進んでいく。モンセラット到着後さらにケーブルカーに乗り換えて、黒マリアの修道院の前にめざすはサン・ジュアン展望台。
モンセラットは標高1200mの高所ということで寒さに警戒していたのだけど全然だった。展望台までの道は結構なハイキングルートで汗ばむ陽気。暑い。マスクのせいでなおさらだよ。
サン・ジュアン展望台。
展望台からの眺め。もりもりした岩がなんとも奇妙だった。奥に広がるのはカタルーニャの平原地。ここサン・ジュアン展望台からさらに上方に向かう山道があったのだけど、疲れるし時間が読めないし我々はスニーカーなので断念(トレッキングシューズじゃないとキツそうだな、という道だった)。あとで調べたところ所要45分ほどの場所にピレネー山脈や地中海まで見わたせる展望台があるということだった。13時から始まる修道院での合唱を聞きたい私たち、遅れぬようささっと下山。
モンセラット駅前に戻ってきた。この一角に駅、売店、修道院などが集まっていて、すぐ背後に奇岩が迫っているのだった。
修道院の中庭には長い行列ができていた。「合唱を聞きたい人がこんなに並んでるの?」と思ったがそうではなく、黒いマリア像にさわりたい人の列なのだった。黒いマリアは12世紀に羊飼いが洞窟で発見したもので、長いことろうそくの煙でいぶされるうちに黒くなったそうだ。タッチすると願いがかなうとか(でもここに置かれているのは現物ではなく19世紀製のレプリカ)。私たちは合唱を聞くほうが優先なのでさらりとスルーして聖堂内へ。こちらも大混雑で身動きがとれず、壇上の合唱団が見えない状態であった。
超満員。合唱団が登場するとスマホを掲げて動画撮影する人が続出、仕方がないからそこにうつる映像を眺めるというあんばいであったよ。
この中心にあるのが黒いマリア像。聖堂内の正面にまつられているのをズーム撮影したけれどよく見えぬ。先ほどの列に並ぶと像の前まで行けるのです。
合唱が終わり、外に出てジェラートを買った。この日の唇、右端が上下はりついた状態でかさぶた形成されており物理的に開閉が困難。朝食のパンもレタスもソーセージも小さく小さく切って口に運ばねばならなかった。したがってジェラートも、スプーンを使ってほんの少しずつなめるしかなかった。開かずの口でジェラートを食べるのは絶望的に無理なことだと身をもって示されたね。
再び鉄道を乗り継いでバルセロナに戻り、おやつにチョコレートショップのカカオサンパカへ。スペインに3店、日本にはこの当時4店(2019年現在は3店)、サウジアラビアに1店という店舗構成。なぜか日本に手厚いというか日本人が過剰にありがたがっているのか。オンラインショップをチェックしたところ、日本での販売価格はなんとバルセロナ店の3~5倍! 高すぎる! ていうか今ここでチョコレートを仕入れて日本で売れば荒稼ぎできるんじゃないか……購買意欲が増した私たち、オレンジピールのチョコレートがけ、ガウディパッケージのショコラセット、板チョコ、ココアパウダーなどあれこれ購入。
カフェではエクレアとホットチョコを食べた。あわせて6.6ユーロだから当時のレートで750円くらい。すごく高いわけではない。美味しいけど、美味しすぎてどうしよう!ってほどでもないなーとふと冷静になる。ホットチョコが甘すぎて濃すぎて飲みきれないので、Mちゃんが持参していたペットボトルから水を足した。薄くなって飲みやすい~とか言いつつ、いかん、店の人に知れたら怒られるわ。
街中でウィンドウショッピングを楽しみつつ、夕方になって何かしょっぱいものが食べたくなり、近くにあった生ハム専門店、Reserva Iberica(レセルバイベリカ)に入ってみた。販売メインだけど小さなテーブルもいくつかあるよというお店。ショーケースから4種くらい試食させてもらい、そのうち2種を50グラムずつ切ってもらった。
手際のいいおっちゃん3人組を見ながら、生ハム2種とカヴァ1杯。あまりにも美味しかったよ、熟成48ヶ月。唇が無傷であればどんなにか楽しめたことか。
ホテルに戻りがてらスーパーに寄ってお菓子や飲み物を買い、部屋のベランダで食べた。テーブルとイスがセッティングされているから便利。サングリアにレモンスカッシュ、ケーキ店で買ったフィナンシェやクッキーも。気ままに過ごした良き1日だった。翌日は本命のサグラダ・ファミリアへ。(旅行日2016.9)
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