旅と日常のあいだ

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南極旅行20 ラスト上陸のダンコ島、基地の痕跡、スシパーティー。そして船は帰路につく

午前中のニコハーバー上陸から帰ってきてお昼を食べたところで「次の目的地ダンコ島へはルート上の氷山を迂回中」とのアナウンスがあり、どうなることかと思っていたら迂回成功、ボートを出せることに。

◆ひとつ前の記事はこちら

ダンコ島はゼンツーペンギンの営巣地。ていうか、これまでに上陸したところ全部、ペンギンがいないところがないくらいだったけど。ここには小さい氷山がたくさん流れ集まっていて、そのすき間からペンギンが顔を出したりしていた。ほかにオットセイやカモメの姿もあった。(カモメはペンギンのヒナを狙うのだ!)

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ボートを降りて、浜辺からまっすぐの起伏のないルートを往復。もっと早い時期だと、雪の斜面を上った場所から南極半島や海峡を見渡すことができるんだよとガイドさん。

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一羽ずつ順番に海に入っていく姿がなんともかわいいなあ。

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ダンコ島には1959年までイギリス基地があった。使用していない基地は解体することが南極条約で定められていて、現在は基地の姿はなく土台のみが残っている。人工物が極端に少ない南極において、コンクリートというのはものすごい異物に見えたことよ。

本船に戻ったのは15時ごろ。この時点では夕方にもう一度クルーズの機会がある予定で、ガイドさんいわく「行き先のメルキオール諸島は北にあるから氷は少なめ。氷山の多い南極っぽい風景は今が見納め」とのこと。ああ、南極から離れるときが近づいているのか。

ここで船内放送があり、「デッキ後方に、南極の氷の上に盛り付けたスシを用意してあります」。そんなおもしろ企画があるとは聞いてなかったのでうれしい。

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デッキに出てみると長机に氷が置かれていて、握り寿司や巻物が並んでいた。種類いっぱい!!と目を輝かせて駆け寄ったが、よく見ればネタはサーモンとアボカドとカニカマのみであった。文句はないよ、サーモンもアボカドもカニカマも大好きだからな。

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南極の海上にて、氷山を眺めながら寿司を食べる。こんな経験はもう二度とないであろう。それにしても久々の白飯(すし飯だけど)がおいしい。

と、ここでまた予定変更があり、ラストクルーズは中止になった。なんでもドレーク海峡に低気圧が近づいているらしく、この影響を小さくするためにはクルーズなんてしていないで、本船ごとさっさと移動したほうがよさそうだとのこと。天候次第ですぐにスケジュールが変わるのにはもう慣れた。寒さも疲れも出てきていたので、クルーズ中止の決定に残念ながらも少しホッとしたのが本心。それよりもドレーク海峡に低気圧、だと……?! 行きでさんざん揺れて酔って体調が停滞したドレーク海峡。あの恐怖が再び、なのか。私も夫も酔い止め薬を飲んで備える。

夜はフルコースのディナーだったが、食事中にも揺れが増してきて夫はメインのお皿を前にリタイア、私はなんとか食べきった(ロブスターだった)。部屋に戻って夫は即寝、私は少し片付け。22時前、だんだん揺れが大きくなって、ドアが勝手に閉まる、ハンガーがガタガタいう、足元がふらつく。キタキタキター、ドレーク海峡の悪夢! あと二日間はこれが続くぞー。

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