旅と日常のあいだ

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東京アフタヌーンティー4 【アンダーズ東京】

去る休日、女友達と「拷問博物館」に行った。東京は神田にある、明治大学博物館「刑事部門」のことである。

その日は午後からホテルでアフタヌーンティーの予定を入れてあったのだが、それまでの数時間の過ごし方として提示された「プラネタリウムか、スーパー銭湯か、拷問博物館」という三択から、多数決によって拷問を選出(すごい組み合わせ!)。すかっと晴れた青空の下、ケーキが楽しみ~サンドイッチも楽しみ~と浮かれながら向かうのは、大学博物館の地下にある薄暗い一角。怖いもの見たさ。

古来からの刑法や刑罰に関する展示資料のなかに、国内外の拷問器具(レプリカを含む)が置かれていた。拷問って、相当に壮絶である。おもしろがって写真を撮る気には到底なれず。器具を見ているとどうしても「自分の身体が拷問を受けたときの痛み」を想像してしまい、実際の痛みは発生していないのに脚や腕やお腹が痛くなる。痛いのはイヤだあぁぁ! これはもう、無実であっても「私がやりました」って言ってしまうわ。沈鬱な気分を中和させるべく、同じフロアにある土器とか石器とか伝統工芸品を一生懸命に見学。なんとかして拷問の印象を薄めたところでホテルに向かう。

気を取り直して東京アフタヌーンティーシリーズ、今回の舞台は虎ノ門のアンダーズ東京。カフェは51階にあり、ガラス窓から東京市街を一望!である。

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トレイは1人1台ずつ。複数人で行くと2人分をまとめて1台に乗せることが多い中で、これはめずらしい。ティーカップやケーキプレートは何やら和の趣でずいぶん落ち着いている。この写真、カップの持ち手が切れているせいもあって、湯呑みと茶托に見えるなあ。

サンドイッチ5つ、ケーキが3つ、エクレアが3つ。スコーンは2つでクロテッドクリームが付く。ジャムはない(ここが評価の分かれるところ。乳脂肪分をこよなく愛するわたしはクロテッドクリームさえあれば満たされるが、フルーツのジャムがないなんてという声も聞かれましたな)。

お茶はポットではなくカップで提供される。紅茶が7種類くらい、ほかにほうじ茶と煎茶もあり、コーヒー、エスプレッソ、カフェラテなどもあった。紅茶が好きな人には7種類というのは物足りないかも。私たちは15時に入って、ディナーが始まる18時の直前まで滞在。食べ物の量がこれだけしかないのに3時間弱も粘れるのか?って言いたくなるが、これが不思議と、お茶をおかわりして少しずつケーキをつまんで、そして何しろおしゃべりがやまないため、3時間はあっという間なのであった。サンドイッチもケーキもどれも美味しかった。特に好きだったのは、ショートケーキとキッシュかな。

ひとつだけ設備面の難点を挙げると、トイレが良くない。トイレに至るドアが重い。重すぎる。友人から「すごく重いよ」って言われて覚悟していたのに、それでもびっくりするくらい重かった。両腕に体重をかけて「ふんっ!」ってドアを押し開けたはいいが、両腕でドアを押し続けた状態で、一体どうやって我が身を内部に移動させたらいいの? 何もかもがスマートでありたいホテルにおいて、トイレのドアの開閉にこんなにも手こずらねばならぬとは(パッと見て、このドアが「押す」なのか「引く」なのか迷うところも意外とストレス)。

カフェを出たのは18時前。「アフタヌーン」と呼ぶにはすっかり日も暮れたこの時間、51階からは東京タワーがすぐそこに(この頃には拷問のことは忘れかけてる)。

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税・サービス込みで4760円は安くはないし、この金額を払うならアフタヌーンティーではなく、カジュアルなレストランでランチコースを食べることだってできる。が、それでも私たちはアフタヌーンティーという、なんともエレガントでふわふわした体験をしたいのだった。次に行くなら、マンダリンオリエンタル再訪か、憧れのリッツカールトン。リッツのアフタヌーンティーは7000円ですってよ、震えるわ!

≫スコーンもジャムも追加OK マンダリン・オリエンタル東京 編
≫甘いもの・しょっぱいものが無限に運ばれてくる パークハイアット東京 編
≫豪華3段トレイに大きめケーキ 帝国ホテル 編
≫3段トレイに加えてスイーツビュッフェまで ゼックス愛宕グリーンヒルズ 編