ある休日、友人と「朝ごはんを一緒に食べよう」と約束したので早起きして出かけた。待ち合わせは午前8時30分、場所は六本木ヒルズである。こちら、静岡からですのでね。まだ暗い時間に家を出て歩いていると、山登りにでも行くような気分。
着いてびっくり、朝の六本木ヒルズには同じように朝食を楽しむ人がたくさんいた。早い時間から活動的な人が大勢いるのだなあと感心したよ。我々は、スフレが人気のLauderdale（ローダーデール）という店へ。
私は「きのことチーズ」を、友人は「サーモンとほうれん草」を。「熱いのでお気を付けください」の言葉とともに運ばれてきたのがコレ。
ふ、わ、ふ、わ～！ スプーンを入れたら「しゅうぅぅ」ってとろける。これこそがまさにスフレ、これ以上でもこれ以下でもない。スフレ初心者の私、「きのことチーズ」というからには何かしらきのことチーズの固形物を期待していた。きっとふわふわの下に隠れているのだろうな、チーズがからんだアツアツのきのこ炒めが出てくるのだろうなと信じて疑わなかった。なので、口に入れたスフレがきのことチーズの味であることに驚愕。なんと、スフレじたいにエキスだかペーストだかが混ざっているとは、まったくの予想外。
つまり下にきのこは隠れていないのだな、器の中はひたすらにスフレなのだなと気づき、底までぶすっとスプーンを挿してみたところ、ふわふわと手ごたえのない感触しか返ってこない。ああ。美味しいけれどもつかみどころのないやつ。ていうか、これじゃあほとんど空気じゃん！友人とふたり、「シュワシュワだけじゃお腹がたまらない」とブツブツ言いつつ、ともかくも「休日の六本木あさごはん」というステキっぽいイベントはクリアである。
お昼兼おやつにはハーブスでケーキを食べるつもりだっただのだが、ブラブラしていたら楽しげなイベントを発見。その名も「ウイスキーヒルズ」、各国のウイスキーとそれに合わせて用意した一品料理を楽しめるというもの。ウイスキーを好む友人と、ウイスキーを飲んだことがはほとんどないけれど興味がある私、立ち寄ってみた。ケーキは別腹だからねと言いながら。５カ国5銘柄の飲み比べセットを注文。
ストレートで少しずつ。わかったことは、「スモーキーな味」は苦手だってことと、サントリーの「響」は美味しいってこと。友人は「知多」が好きだと言っておった。響に合うということで注文した茄子の肉味噌炒めが最高に美味しかったのだが、できれば日本酒をもらえませんか、いやむしろ白飯がほしいです！と思った。おかわりもして長居してしまい、結局ハーブスには行かず。
夜はまた別の友人と合流し、予約してくれていたイタリアンレストランへ。食べて飲んでばかりだなあ。
丸の内界隈はそりゃもうキラキラではちきれそうにクリスマス全開、浮かれたり心がささくれたりと情緒が忙しい。窯焼きピッツァをむしゃむしゃと食べながら、とにかく読めと友人が勧めてきたのが、『負け犬の遠吠え』。話題になったのは10年以上前だが実は読んだことない。次に会う時までの課題図書ということになったので、読んでおかねば。
ああ、12月ももう半ば。クリスマス前のイルミネーションがやけに目にしみるのは負け犬とは関係ないよね、そうだよね。青や白の光より、この黄色いのが好きだなぁ、スタンダードで上品に感じる。
