旅と日常のあいだ

石川県発、近場の寄り道から海外旅行まで。見たもの、食べたもの、面白いことの共有。


スペイン06 バスの来ないバス停と、くせになる日本語ガイド

スペイン旅行の三日目、バルセロナの朝。友人Nとのスペイン旅、ルートの決まったツアーではなく完全な個人旅行なので、どこに行くのも何をするのも自分次第。

今日は一日バルセロナの街を見て回ろう。しかし、海あり丘ありで高低差の大きいバルセロナ、点在する観光スポットを歩いて回るのは大変。バスや地下鉄を駆使するのもいいけれど、名所をぐるぐる周遊する観光バスに乗ることに。ホテルを出てメトロに乗って、バスの出るエスパーニャ駅へ。

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券売機。回数券を買って、このあとの滞在で使い倒した。

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無賃乗車の現行犯。

バス乗り場に近いカフェで朝ごはん。ちょいちょいスペイン語を使いたい私、ドキドキしながら「cafe con leche(カフェ・コン・レチェ)」って言ってみた。ちゃんと通じて出てきましたよ、コーヒー牛乳が。

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それと、生ハムのサンドイッチ。おいしさがあふれるぅ〜

カフェからはバス停のある広場が見えるのだが、あたり一帯は舗装工事の真っ最中。動いているのは工事車両ばかり、そういえば一般車両の姿もない。よく見ると広場の出入り口では車両の通行止めもされているようだ。

通行止め……。あれっ、バスは? 

ひょっとしてバス停のあるこの広場には入れないんじゃないの? あわててバス停にとんでいき、そこに貼られた紙を見る。

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「8月10日、ここにはバスが来ません」的なことが書かれていた。

なんと!! 来ないバスを待って生ハムサンドを食べている場合ではなかった。昨日のサグラダ・ファミリアに続き、朝から出鼻をくじかれるパターン。仕方がないので次のバス停まで歩き、ここで改めてバスを待つ。

始めは、そんな観光色バリバリの商業バスに乗るのはつまらないんじゃないかと思い込んでいた。が、旅行の前に、バルセロナに行ったことがあるという友人に話を聞いたら、「周遊バスはいいよ、日本語の音声ガイドもあるし、めぼしいところを全部まわってくれるから超おすすめ」とのアドバイス。実際に乗ってみての感想はといえば、「周遊バス、実に良い。おすすめ」。

二階建ての座席は視線が高くて気持ちがいいし、徒歩では行きにくい場所にも連れて行ってくれる。複数あるコースを定額で自由に乗り降りできる。そして、イヤホンで聞く音声ガイドが思いのほかいい。街の歴史や建築物のうんちくに「へえぇ~なるほど」と思うことが多くて、漠然と景色を見ているより何倍も興味深く過ごせた。

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でも、私とNにとって一番面白かったのは、ガイドさんの話す変な日本語の数々であった。イヤホンから流れてくるのは、まろやかな男性の声。もともとの日本語話者ではないのか、片言っぽいイントネーションがクセになる。そして、説明の途中にはさまれる単語や表現が、この場面でそれを使うか!?っていう絶妙なチョイス。やたらと文語っぽかったり丁寧すぎたり大げさだったり、日本人が日常でその使い方はしないな~という言い回しがちょくちょく出てきて、随所で笑いを禁じ得なかった。旅の間、Nとふたりでこのナレーションの真似が流行ったことは言うまでもない。ああしかし、あんなに面白かったのに具体的な例をひとつも思い出せないこの悔しさ。

……バスに乗ってどこに行ったのか、っていう話までたどりつかなかった。しつこく次へ続きます。

tokotoko.hatenablog.jp