旅と日常のあいだ

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2013秋 北アルプス、槍ヶ岳~大キレット~前穂高縦走!(7)

槍ヶ岳~前穂高縦走記録の最終回、「前穂高上高地」編。前回の記事はこちら

 

槍ヶ岳から始まった縦走も遂にクライマックス、稜線上にある8つの3000m峰の最後、前穂高岳へ。

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穂高山頂までの道、というか、岩。山登りというより岩登りである

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前穂高岳山頂に到着!3090m!

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雲が切れて青空が出て、中央左にピョコッと突き出た三角は槍ヶ岳

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別方向に目をやれば、ひょろひょろと噴煙を上げる焼岳

全方向に視界が開けて天気も良くてあまりにも素晴らしい眺め、ここまでの長かった道のり(といってもたったの二日間なのに!)を思い返して並々ならぬ達成感と満足感に浸り、同じような顔をして登ってくる人とカメラのシャッターを押しあう。昨日から抜いたり抜かれたりしている70歳ご夫婦とここでも一緒になり、その体力の秘密を聞いたところ、「毎日ふたりで10~15キロ散歩している」との答え。そりゃあ健脚なはずだ!! そんなこんなで30分間くらい山頂を堪能し、もうじゅうぶんに槍・穂高連峰を目に焼き付けた!というところで下山開始。

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ザックを置いた「紀美子平」まで戻ってきた。帰りは道しるべの左側、「岳沢・上高地」へ

ここからは、「重太郎新道」と呼ばれる道を一気に下る。この重太郎新道がまたくせもので、標準所要タイムは登りが3時間30分、下りが2時間20分とかなりの時間差、それだけ急傾斜だということだ「下るのはいいけど登るのは絶対にイヤ」と言う人もいれば、「脚への負担が大きいから下るのは絶対にイヤ」と言う人もいる。まあつまり、とにかくしんどい道であるのは間違いない。

そのしんどさを覚悟して下り始めたのだが……

結論から言うと、重太郎新道の下りはしんどくなかった。確かにハシゴやクサリは多く、これは登りだったら相当嫌だなあと思ったが、下る分にはまったく問題なし。この二日間の悪路の上り下りで神経だか度胸だかが強くなったのかしら。むしろ短時間でどんどん高度を下げられてゴールに近づいている感じがしてうれしかった。

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途中にこんな展望ポイントも。このあたり、木々の葉が黄色く色づき始めていた

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空はすっかり秋の風情

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すいすい歩いて休憩ポイントの岳沢小屋に到着

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お昼は小屋でうどんを注文。持参していた焼鶏の缶詰も開けて一緒に食べる。

食べていたら先ほどの夫婦が後からやってきて隣のテーブルに座り、りんごをむいてくれた。まさかここでりんごが食べられるなんて。チョコレートや飴に飽きていたところに、甘くて水分のあるものは本当に貴重。下界ではほとんどフルーツを食べない私だが、初日に食べたマスカット、小屋で出てきたオレンジ、いただいたりんご、どれも非常に美味しかった。すっかりフルーツに夢中になり、下山後、もう山には登らないのにスーパーマーケットでマスカットを購入したほどである。

お腹も満たされ、残るは2時間ほどの道を下るばかり。ゴールが近いと思うとウキウキがとまらない。いつもそうだが、登りたくて登っているのに、なんでこんなに下山がうれしいのか。下りながらも、出発地点の河童橋に戻ったらソフトクリームを食べるんだ!という夢(?)がパンパンにふくらんで爆発しそうなほどであった。

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14時ちょうど、河童橋に到着。念願のソフトクリームを食べた。木いちごのジェラートも食べた(食べすぎ)。

お天気に恵まれて、憧れの大キレットを含め予定通りの行程をケガなく行って帰ってこられて、素晴らしい景色をたくさん見て、カメラにおさめて、またうれしい山の記憶が増えた。そしてこれで、国内にある標高3000m以上の山21座のうち13座に登頂したことになった。半分を越えた! 我ながら不思議なほど登山にはまって高い山ばかり登っているが、そうなると残りの8つに行かないわけにはいくまい。そちらはまた、来夏以降の目標ということで。