旅と日常のあいだ

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2013夏 南アルプス、北岳~間ノ岳(2)

北岳登山記録の2回目。 1回目の記事と行程表はこちら

 北岳頂上そばには山小屋が二つある。「北岳山荘」と「肩の小屋」。今回の宿泊地は北岳山荘で、小屋泊まりではなくテント泊にした。小屋の周囲にテント設営スペースがあり、設営料は一人600円。

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なんという素晴らしきロケーション。富士山も見える。我々のテントは左下の緑色。 夕食は自炊。うれしいことに小屋の自炊室が使えるので、室内で食事ができるのがありがたい(なにしろ外は寒い。ダウンジャケットを着ても寒いくらい)。いつもならお湯を沸かしてインスタント麺を作るくらいだが、今回はメンバーの中に料理のプロがいるので非常に豪華な内容に。企画から準備から調理まで、ほぼ全部をおまかせしてしまいました。そのメニューとは、牛丼!

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それだけではない。缶詰を温めて、おつまみパーティー。

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焼き鳥(塩&たれ)と、さば味噌煮。たまらんね。牛丼は濃いめの味付けで、ご飯も炊きたて、さらに紅ショウガ&生卵まで用意されていた。箸が進む。っていうかこの、缶詰を並べて温めるためだけに持参したという網がまたすごいよね。Mシェフ本当にありがとうございます。

4人でご飯を食べながら今日の道のりを振り返る。雪渓とハシゴでみな足腰を相当やられており精神と肉体の疲労がキツイ。我々はまだ北岳の山頂に立っていないわけだが、この時点ですでに、「これ以上登るなんて無理だ、こうなったら登頂にはこだわらなくてもいいかも」という気分が漂いはじめる。ましてや、縦走してとなりの間ノ岳にまで行こうなんて無理すぎる! それには往復3時間が必要で、ということは明日は何時に起きればいいの、えっ、5時出発? 今日こんなに疲れてるのに、明日も朝からまた登山なんて正気かね? 

どうしようかいなと自問するうちに日は暮れる。山小屋の夜は早く、消灯は20時。我々は自炊室を撤収し、テントに戻ってシュラフにもぐりこんだのだった。

深夜、テントの窓から外をのぞくと頭上には星空。しかしあまりの寒さにテントを出ることができない。7月中旬とはいえさすが高地、長袖ヒートテック+フリース+アウター+シュラフ+ホッカイロでもまだ寒い。カイロをにぎりしめて寒さを紛らわしつつ再び就寝。

次に目が覚めたのは午前4時半、日の出まであと10分というタイミング。テントの外には、朝焼けの雲海に浮かぶ富士山があった。そしてご来光。

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現金なもので、この景色を見たら元気になってしまった。 「ここまで来ておいて間ノ岳に登らないなんてありえない!今登らなくてどうする!」 ということで、当初の計画どおり間ノ岳をめざすことに。テントはここに置いたまま、荷物を小さくまとめて背負い、標高第四位の間ノ岳へ向かって登山二日目いざスタートである。