2012年秋の槍ヶ岳、登山記録の4回目。前回の記事はこちら
槍ヶ岳頂上直下にある「槍ヶ岳山荘」の夜。夕方までの雲は晴れ、遠くの街も、月も、星も、本当にきれいに見ることができた。写真を見ながら思い返せば、目の前いっぱいの風景がよみがえる。
夜、街に灯りがともるころ、槍ヶ岳山荘前からの風景。真ん中の山は常念岳。近そうに見えるが、直線距離で8~10kmくらいある。右側の灯りは、おそらく松本市。左側は姥捨か千曲かな。
月が白く、大きく見えた。この二日後が中秋の名月、というときだった。
星が、それはそれはたくさん。山荘の上にも山頂の上にも。 真夜中の写真みたいだがそんなことはなく、これで18:30くらい。
当然だが、槍ヶ岳の夜は寒い。セーターにフリースにウィンドブレーカーにゴアテックスを着ても、連続して何分も外にいられないくらい。建物から出たり入ったりして星空を見つつ、消灯時刻(20:00だったかな)には寝床へ。明日は夜明け前に起き、日が昇る前にもう一度山頂に行って、てっぺんから日の出を見る計画。とにかく今は寝る。というわけであっさりと眠りに落ち、昨日に続いて完ぺきな爆睡ぶりを見せつけた。
さあ、そして翌朝。午前4時に起床し、さて登るぞ!と意気込んで外に出たものの、日の出前の槍ヶ岳はとにかく寒すぎであった。しかも風が強く、あたりはビュウビュウいっておる。こんな寒くて暗くてしかも風が吹きすさんでる中、あの足元のおぼつかない岩場を登るなんて絶対に無理。危険をおかすつもりはないので頂上を目指すのはやめて、山荘前からご来光を待つことにした。頂上に登らなくても、ここからでも見ることはできるのだ。
明るくなっていく空。山頂に、ご来光を待つ人の姿が見えた(写真ではわからんね)。しかし考えてみたら、槍ヶ岳山頂からは槍ヶ岳の姿が見えないわけで。「槍ヶ岳のある風景」が好きな私にとっては、山頂に登らずにここでこうして日の出を待つのは正解だったな、と思った。
周りに広がる雲海も見事。そこをつきぬけてそびえるのは富士山やはり圧倒的存在感だなあ。雲と空の境界が、日の出の予感にどんどん赤く明るくなっていく。
5:40、文句なしのばっちりの日の出! これはキレイ!!
山荘も岩肌も赤く照らされて、あたりは一気に明るくなった。
槍ヶ岳、さいこうーーー!!!
天気に恵まれて美しいご来光を見ることができて、「山はいいなぁ」と感じる瞬間だ。 昨日は霧がかかって眺望が楽しめなかった山頂も、今なら条件がよさそう。 下山の前に、もう一回登るしかない!というわけで、再挑戦することに。